DataSnipper、UpLinkを買収しAIによる監査業務自動化を強化

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AIで監査の自動化を次のレベルへ

Author:
Kazuha Michifuji
Kazuha Michifuji
Published:
November 29, 2024

監査業界では、正確さや効率性、信頼性が求められる一方で、課題も山積みですよね。たとえば、規制の複雑化、完璧な結果を求められるプレッシャー、どんどんタイトになる締め切り…。こうした状況に対応するために、単純作業を自動化する従来のツールも便利でしたが、AI(Artificial Intelligence、人工知能)はその一歩先を行く存在です。

この記事では、そもそもAIって何なのか、その特徴や従来の技術との違い、そして具体的にどのように監査に役立つのかを解説していきます。

目次:

  1. AIとは?従来の技術とどう違う?
  2. AIが監査プロセスをどう変える?
  3. まとめ

AIとは?従来の技術とどう違う?

AIとは、データから学習してパターンを見つけ出し、人手の介入を最小限にして意思決定を行う、人間の知能を模倣するテクノロジーです。従来のソフトウェアが、あらかじめ決められたルール通りに動作するのに対し、AIは過去のデータ処理の経験から学習し、それを生かしてその時々の状況に応じた動作を行います。だからこそ、表形式など決まったフォーマットのデータだけでなく、メールや写真、PDFの内容など、一定の形式がないデータの処理も得意なんです。

自動化から「スマートな」自動化へ

  • 従来の自動化: ルールに基づいた反復的な作業を実行する(例: Excelマクロ、Robotic Process Automation)
  • AIによるスマートな自動化: データを解釈し、異常を見つけ、最適なアクションを提案する。単なる指示通り動くのではなく、学んで成長するサポーターのような存在。

AIを支える主な技術

機械学習(ML、Machine Learning)、自然言語処理(NLP、Natural Language Processing)、自然言語生成(NLG、Natural Language Generation)といったワードを目にしたこともあるかもしれませんが、実はこれらが監査におけるAIを支える中心的な技術なんです。

  • 機械学習(ML): 過去のデータを基にパターンを見つけ、リスクを予測。データを処理すればするほど精度が向上します。
  • 自然言語処理(NLP): 契約書、メール、報告書などの内容を、キーワードだけでなく文脈まで理解します。これにより、データ同士の関係を見つけ出し、例えばクライアント名と関連する取引を結びつけることができます。
  • 自然言語生成(NLG):複雑な監査データを読みやすい文章に変換します。内容の要約の作成や重要なリスクのハイライトも自動で行うことが可能です。

AIが監査プロセスをどう変える?

では、AIは実際に監査業界でどのように活用されているのでしょうか?具体的に役立つポイントをいくつか紹介します。

1. 情報抽出

従来の課題:

PDFやメール、スキャンした資料など、さまざまな形式資料から必要な情報を手動で抽出するのはかなり時間がかかり、特に資料のフォーマットが不適切だったり複雑な内容だと、重要な情報を見落とすミスも発生しやすいです。監査人は、重要な情報を膨大な資料から探すのに何時間も費やすことになります。

AIソリューション:

自然言語処理(NLP)を活用することで、AIは資料の内容を理解し、請求書の日付、金額、取引先名などの重要な情報を迅速かつ正確に見つけ出し、自動で抽出します。これにより、情報の抽出がより正確で効率的になり、大幅に作業時間を短縮できます。

  • すでに50万人以上の監査・財務担当者が、DataSnipperを活用して情報抽出作業の効率アップを実現しています。

2. 資料レビューと証憑突合

従来の課題:

資料のレビューと証憑突合は、監査において欠かせないステップですが、必要な情報がすべてそろっていることを確認し、複数の資料同士の情報を照合する作業は時間がかかり、同時にミスも発生しやすくなります。

AIソリューション:

機械学習(ML)と自然言語処理(NLP)技術を使えば、クライアントからの必要な情報がそろっているかを自動でチェックし、不足している資料や複数の資料同士の内容の不一致も自動で見つけてくれます。これにより、監査人は何時間もかけて不備を探すよりも、その解決に時間をかけられるようになります。

  • DataSnipperのPBCポータル、UpLinkでなら、テストしたい資料の要件チェックも一瞬で完了。

3. リスク評価

従来の課題:

リスク評価は、主に過去のデータをもとに手作業での分析が行われるため、パターンに当てはまらない不正や異常を見逃す可能性があります。

AIソリューション:

機械学習(ML)によって、AIは大量のデータを分析し、あらゆるリスクや異常なパターンをいち早くキャッチします。不正やコンプライアンス違反の兆候を、過去のデータをもとにした予測分析によって問題になる前に発見することができます。

4. レポート作成

従来の課題:

財務データと発見事項をまとめ、重大なリスクをハイライトする監査レポートの作成は、数日または監査が複雑な場合数週間かかることもあります。不備やデータの見落としはレポートの質を下げ、提出を遅らせる場合もあります。

AIソリューション:

自然言語生成(NLG)を使えば、複雑なデータをもとに分かりやすいレポートを自動で作成できます。これにより、レポートの作成時間が短縮され、ヒューマンエラーも減り、レポートの質も向上します。

まとめ

AIは監査業務を変革しています。今回挙げた情報抽出、レビューや証憑突合、レポート作成といった時間のかかる作業を自動化することで、監査人はより付加価値のある業務に時間を割けるようになります。

これからの監査業界で競争力を保ち、クライアントに高品質なサービスを提供するためには、AIを活用することが欠かせません。

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