こんにちは、DataSnipper Japan代表の砂山です。10月31日に、会計・監査法人業界のニュースを発信するWebメディア、公認会計士ナビさん主催のイベント、「会計・監査Tech-Next 2024」に参加してきました。
イベントでは、監査や会計業務の未来を見据え、テクノロジーがどのように業界に革新をもたらし、日々の業務がどう進化していくかを中心テーマとしてトークセッションが行われ、監査法人や会計士の方々が直面している課題や、新しいツール導入の可能性、さらにはテクノロジー活用の課題についても、活発な意見を交わすことができ、有意義な時間となりました。
今回のブログでは、私がイベント内でプレゼンした、新しいツール導入に伴うチェンジマネジメントについて、これまでの経験から感じる課題や導入成功のポイントについて紹介したいと思います。
まずは、私のバックグラウンドについて少しお話しします。私は長年にわたりテクノロジー業界に携わり、ロボティクスやAI、データアナリティクスを活用して、数百社以上の社内向け、もしくは商用ツールの開発と導入に関わってきました。
そんな中、ツール導入に関わった人たちに、「導入に成功したと思いますか?」と聞くと、ユーザー側では5%が、経営者側やIT部門側では20%の人が「はい」と答えました。これは、他のコンサル等の統計を見ても大体同じ数字になると思います。
この「はい」と答えた人たちには共通点が合って、必ず特定のアプローチでツール導入に向き合っています。—それは、導入するツールを選ぶ際に、どれだけ「使いやすいか」という点に重きを置いているということです。
「使いやすさ」ってざっくりしたワードなので、少し定義すると、ここでいう使いやすいツールとは、ユーザーが見ただけで…
- 何のためのツールなのか分かる
- いつ使えばいいのかも大体分かる
- 操作を行うために何をすればいいのかも分かる
- 少ないステップで操作を実行できる
といったツールです。
昔携わっていたツールが、使いやすさではなく対応範囲にこだわっていて、日本の全会社の業務を吸収するんだみたいなビジョンでやっていました。
あとあと見たら、ボタンが1万くらいあって、入力項目も異常に多い。
つまり、なるべく多くの業務をカバーできるという要素を最優先にしてツールを選ぶと、必然的に操作が難解なツールを選ぶことになるということです。
これが大きな落とし穴。操作方法が複雑なツールの導入には、利用シーンごとに発生するトレーニング、膨大なマニュアルやQ&A作成、利用状況のモニタリングやヒアリングといった業務が伴います。
また、ツールの使用難易度が高いため、社内問い合わせ窓口の負荷、そして組織自体の運営負担が増大しがちで、求められる運営スキルも上がります。運営スキルが少ない組織に限って、このいばらの道を行きやすいという傾向もあります。
さらに、各人に使いやすくするために想定外のコストが後々発生し、結果ユーザーに嫌われた状態で後手後手に使いやすくしていくことになります。
そして何より、一度ツールに対して習得時間がかかり使いづらそうという印象を持ったユーザーにツールの使用を再度促すのは至難の業です。
私は、最初の1か月、場合によっては最初の社内トレーニングの反応でほぼツールの導入がうまくいくかどうかわかります。
こうして、いくらツールの対応範囲が広かったとしても、使いにくいツールであれば、チェンジマネジメントの難易度は非常に高く、トレーニング環境を整えたとしても導入は進まないという悪循環が生じます。
場合によっては、1つのツールで全部やろうとしないで、使いやすいものをいくつか選んで対応範囲を広げていく方がうまくいくこともあります。
では、「使いやすさ」を重視したツールにはどんな特徴があるのかというと、その業界・業務のためにピンポイントに作られていることが多いです。同時に、案件ごとの業務の違いへの柔軟性も担保されている傾向があります。
私はDataSnipperに3-4か月くらい前に出会い、まさに監査・財務担当者にピンポイントにターゲットを絞って、彼らの業務を楽にするために作られたテクノロジーであるというところに可能性を感じて入社しました。
DataSnipperの始まりは、繰り返す単純な手作業に追われていた監査人と創業者たちとの会話でした。創業者たちはその会話から、手作業による情報検証を、Excel内で直接自動化するソフトウェアの構想を得て、DataSnipperが誕生しました。
DataSnipperはExcelアドインなので、ユーザーはExcelさえ使用したことがあれば、真新しいツールの操作方法を一から覚える必要がありません。また、DataSnipperの主な機能は、5色の色別のボタンに分かれていて、直感的に操作できるようになっています。
企業が独自に自社のニーズに応じてツール開発を行うこともありますが、ツールの対応範囲を広げるたびにどんどん追加工数がかかり、社長もGOサインを出しづらいという現状があるので、結果として対応範囲が狭いツールになりがちです。
そのため、使いやすく、極力同業複数社で実績があるツールを選ぶのがいいと前から思っていました。
最後に、ツールの導入成功には使いやすさに加えて、専任のカスタマーサービスチームによる導入のサポートも欠かせません。そして、多様なユースケースを網羅した学習資料が揃うナレッジベースや、実践的にツールの使い方を学べるハンズオンコンテンツが充実したアカデミーがあれば、ユーザーはツールの操作をスピーディーに習得し、多様な業務に応用していけるようになります。
DataSnipperはオランダで誕生し、現在では100か国以上で50万人を超えるユーザーに支持され、英語圏だけでなく、中国語圏でも導入が進んでいます。
日本には今年の7月に拠点を設立し、Big 4を含む監査法人や税理士法人の皆さまにもご利用いただいています。
まさに監査・財務における同業複数社で、国を問わず使える可能性を持っているツールです。
ツール導入を成功させるうえで欠かせない、「使いやすさ」という要素がDataSnipperには詰まっていて、数多くの企業がスムーズなチェンジマネージメントを実現し、業務効率化を進めています。
日本の皆様にも、このDataSnipperのテクノロジーの効果をこれからぜひ体験していただきたいと思っています。